妻の立場ではありますが、夫が通うHECのMBAプログラムについて、入学してからこれまで1か月間のことを書いておきます。
学校は9月の第一週後半にチェックイン、つまり事務手続きを行い、第二週からオリエンテーションとチームビルディングを兼ねたカジュアルな授業が開始されました。
寮に住む人々は、第一週後半のチェックインと同時に入居可能ですが、夏の間、2週間のフランス語レッスンがあったため(有料•参加自由)、それに参加した方々は別途パリ市内等で短期的に住居を確保していました。
私たちの場合はフランス語レッスンに参加していなかったので、8月末からパリ市内で生活を始めました。
学生のみなさんは合格後にFacebookで合格者専用ページを作成し、頻繁にコミュニケーションを行ってきました。
その中で、チェックイン前に飲み会をやろうという話が出て、第一週の前半にパリ市内で有志の飲み会が開かれました。
30人程度の学生と、数人の奥様たちが参加し、ネットワーキング。私も参加して、フランス人からパリの情報を色々教えてもらいました。
第二週は、まずはオリエンテーション。学長や学部長の話から始まり、文化的違いに関する講義や、キャリアの考え方などについて説明を受けました。
この時に、HECのMBAの学生は、きちんとした身なりで学校に来るようにと指導があったとか。MBAらしくしろ、と。
夫曰く、結果的に、なのか、シャツやジャケットを着ていたり、ヒールを履いていたりして、キレイな格好をしている学生が多いそうです。
また、この週から始まった授業は、ビジネスライティング、プレゼンテーション、自己表現、数学特訓、レジュメのレビューなどなど様々な内容を扱いました。
自己表現の授業では、HEC出身者を含む現役の俳優さんがきて、グループで演劇をしたそうです。
第三週は、ネゴシムという、ソフトを使ってのビジネスシミュレーションの授業です。
ソフトの中で、経営者になったつもりで様々なシミュレーションを行い、ビジネスの全体像を掴みます。
ファイナンスやマーケティングなど一つの領域に捕らわれすぎず、様々なステークホルダーの利害を調整しながらバランスをとっていき、これから始まるMBAで何を学ぶべきかを体感します。
この週には、今後定期的に開催されていくCEO Seriesという講演会の第1回目が開催され、L’OrealのCEO(HECのOBのフランス人です)が英語で講演を行いました。
CEO Series 第2回は、LVMHのCEOとのこと。10月に開催されます。
フランス以外の企業の方も来る予定です。
この週の週末はIntegration Weekendと呼ばれるイベントが開催されました。
2泊3日の学生旅行です。
バスに乗って、ロワール地方にあるお城の見学をしたり、ゴーカートに乗ったり、飲み会をして仲良くなったり、という楽しい旅で、参加は自由。有料です。
第四週は、コア科目である経済学、会計学、マーケティング、ファイナンス、統計学の5つの授業が始まりました。
これらは12月まで、週2回✖︎1.5時間の頻度で続き、年末に期末試験を受けて終了します。
授業以外では、様々な企業が将来の採用を見据えてプレゼンしに来るため、関心のある企業のプレゼンに参加したり、勉強やスポーツのクラブ活動に参加したり、自由に活動することができます。
例えば、来週はドイツの日用品•化学品会社Henkelのディレクターの方がプレゼンに来ます。
先週は、IFCやケチャップのHeinz、新興系だとUberなどの説明があったとのこと。
社費留学等で就職活動の必要がなかったとしても、お客さんの業界や、現在勢いのある企業の理解を深める上でとても役に立ちそうです。
特定のトピックに関する特訓授業もあり、例えば夫は平日4日間、20時から23時までファイナンスのブートキャンプに参加していました。
最後の日だけ私も参加させてもらったのですが、これはサンフランシスコのモルガン•スタンレーの投資銀行部門で働くVice President(マネジャーレベル)でHEC MBAのOBの方が来て、M&Aの基本的な考え方と投資銀行の生活について説明するものでした。
就職活動に関するアドバイスも兼ねていたので、一部の人は相当真剣です。
他には、この週末に会計やラグジュアリービジネスに関するブートキャンプが開催されています。
こういった特訓授業は、単位が習得できるものではなく、あくまで自由に参加するもので無料で行われています。
先生は、HECの教授だったり、実務に従事する人だったり、様々なようです。
第5週以降は、第4週の内容が続いて行きます。
コア科目の授業を受けつつ、関心のある特訓やクラブ活動に参加して行きます。
HECは1クラス約60名で、9月入学者(1月入学も1クラスあります)は2クラスに分かれていますが、コア科目はそのクラス単位で行われます。
また、学校によってダイバーシティを考慮されたグループが決められ、その6名で全てのコア科目のグループワークを行います。
夫のグループの場合は、
1. ベルギー人の男性、人事研修コンサルタント
2. インド人の女性、エンジニア、一児の母
3. アメリカ人の女性、職業はヒアリング中
4. 中国人の女性、事業企画•ファイナンス系
5. ペルー人の女性、マーケティング
6. 自分(日本人の男性、ファイナンス)
という組み合わせだそうです。
ダイバーシティを考慮、と言っても、HECの場合は学生に占める4割近くが女性なので、グループを決める上では性別は考慮していないそうです。
たまたま夫は女性がマジョリティのチームになりました。
夫の会社ではなかなか経験できないシチュエーションなので、いろんな学びがあることでしょう。
グループワークは昼休みや放課後、週末の時間を使って行いますが、グループによって集まり方や気合の入り方は様々です。
以上、HEC MBAの1か月でした。
妻の立場で見ると、新しい出会いや学びに満ちていてとても充実していそうです。