HECへ一人旅

夫が通うHECまで、初めて一人で行きました。
モンパルナス駅から、SNCFという電車に乗り、ベルサイユ駅でRERという電車に乗り換えて2駅。
パリ市内から(少し)遠く離れた、ジョイアンジョサス駅にて下車します。

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森を切り開いて作った駅、という印象の、こじんまりした駅舎とプラットフォーム。
この駅からは裏山?を駆け上るか、バスに乗るかの二つの選択肢があります。
裏山の場合は早歩き、かつ坂道を登りますが10分少々、バスの場合は20分少々で到着です。
朝のバスは学生で混雑し、昼間はバスが30分に1本しかないので、皆さん裏山ユーザーのようです。

HEC MBAの最初の1か月

妻の立場ではありますが、夫が通うHECのMBAプログラムについて、入学してからこれまで1か月間のことを書いておきます。

学校は9月の第一週後半にチェックイン、つまり事務手続きを行い、第二週からオリエンテーションとチームビルディングを兼ねたカジュアルな授業が開始されました。
寮に住む人々は、第一週後半のチェックインと同時に入居可能ですが、夏の間、2週間のフランス語レッスンがあったため(有料•参加自由)、それに参加した方々は別途パリ市内等で短期的に住居を確保していました。
私たちの場合はフランス語レッスンに参加していなかったので、8月末からパリ市内で生活を始めました。

学生のみなさんは合格後にFacebookで合格者専用ページを作成し、頻繁にコミュニケーションを行ってきました。
その中で、チェックイン前に飲み会をやろうという話が出て、第一週の前半にパリ市内で有志の飲み会が開かれました。
30人程度の学生と、数人の奥様たちが参加し、ネットワーキング。私も参加して、フランス人からパリの情報を色々教えてもらいました。

第二週は、まずはオリエンテーション。学長や学部長の話から始まり、文化的違いに関する講義や、キャリアの考え方などについて説明を受けました。
この時に、HECのMBAの学生は、きちんとした身なりで学校に来るようにと指導があったとか。MBAらしくしろ、と。
夫曰く、結果的に、なのか、シャツやジャケットを着ていたり、ヒールを履いていたりして、キレイな格好をしている学生が多いそうです。
また、この週から始まった授業は、ビジネスライティング、プレゼンテーション、自己表現、数学特訓、レジュメのレビューなどなど様々な内容を扱いました。
自己表現の授業では、HEC出身者を含む現役の俳優さんがきて、グループで演劇をしたそうです。

第三週は、ネゴシムという、ソフトを使ってのビジネスシミュレーションの授業です。
ソフトの中で、経営者になったつもりで様々なシミュレーションを行い、ビジネスの全体像を掴みます。
ファイナンスやマーケティングなど一つの領域に捕らわれすぎず、様々なステークホルダーの利害を調整しながらバランスをとっていき、これから始まるMBAで何を学ぶべきかを体感します。
この週には、今後定期的に開催されていくCEO Seriesという講演会の第1回目が開催され、L’OrealのCEO(HECのOBのフランス人です)が英語で講演を行いました。
CEO Series 第2回は、LVMHのCEOとのこと。10月に開催されます。
フランス以外の企業の方も来る予定です。

この週の週末はIntegration Weekendと呼ばれるイベントが開催されました。
2泊3日の学生旅行です。
バスに乗って、ロワール地方にあるお城の見学をしたり、ゴーカートに乗ったり、飲み会をして仲良くなったり、という楽しい旅で、参加は自由。有料です。

第四週は、コア科目である経済学、会計学、マーケティング、ファイナンス、統計学の5つの授業が始まりました。
これらは12月まで、週2回✖︎1.5時間の頻度で続き、年末に期末試験を受けて終了します。
授業以外では、様々な企業が将来の採用を見据えてプレゼンしに来るため、関心のある企業のプレゼンに参加したり、勉強やスポーツのクラブ活動に参加したり、自由に活動することができます。
例えば、来週はドイツの日用品•化学品会社Henkelのディレクターの方がプレゼンに来ます。
先週は、IFCやケチャップのHeinz、新興系だとUberなどの説明があったとのこと。
社費留学等で就職活動の必要がなかったとしても、お客さんの業界や、現在勢いのある企業の理解を深める上でとても役に立ちそうです。

特定のトピックに関する特訓授業もあり、例えば夫は平日4日間、20時から23時までファイナンスのブートキャンプに参加していました。
最後の日だけ私も参加させてもらったのですが、これはサンフランシスコのモルガン•スタンレーの投資銀行部門で働くVice President(マネジャーレベル)でHEC MBAのOBの方が来て、M&Aの基本的な考え方と投資銀行の生活について説明するものでした。
就職活動に関するアドバイスも兼ねていたので、一部の人は相当真剣です。

他には、この週末に会計やラグジュアリービジネスに関するブートキャンプが開催されています。
こういった特訓授業は、単位が習得できるものではなく、あくまで自由に参加するもので無料で行われています。
先生は、HECの教授だったり、実務に従事する人だったり、様々なようです。

第5週以降は、第4週の内容が続いて行きます。
コア科目の授業を受けつつ、関心のある特訓やクラブ活動に参加して行きます。
HECは1クラス約60名で、9月入学者(1月入学も1クラスあります)は2クラスに分かれていますが、コア科目はそのクラス単位で行われます。
また、学校によってダイバーシティを考慮されたグループが決められ、その6名で全てのコア科目のグループワークを行います。
夫のグループの場合は、
1. ベルギー人の男性、人事研修コンサルタント
2. インド人の女性、エンジニア、一児の母
3. アメリカ人の女性、職業はヒアリング中
4. 中国人の女性、事業企画•ファイナンス系
5. ペルー人の女性、マーケティング
6. 自分(日本人の男性、ファイナンス)
という組み合わせだそうです。
ダイバーシティを考慮、と言っても、HECの場合は学生に占める4割近くが女性なので、グループを決める上では性別は考慮していないそうです。
たまたま夫は女性がマジョリティのチームになりました。
夫の会社ではなかなか経験できないシチュエーションなので、いろんな学びがあることでしょう。
グループワークは昼休みや放課後、週末の時間を使って行いますが、グループによって集まり方や気合の入り方は様々です。

以上、HEC MBAの1か月でした。
妻の立場で見ると、新しい出会いや学びに満ちていてとても充実していそうです。

パートナーとしての活動

HECにはパートナーズクラブと呼ばれる、MBA生のパートナーのためのサークルがあります。
学生として忙しく生活する本人のことだけでなく、その家族にも配慮してくれる、暖かいカルチャーがあります。
サークルの活動費として学校からお金も出ているとのこと。

HEC入学生のプロフィールを見るとフランス人が過半数ということはなく、色々な国の人が少しずついるのでMajorityがいないという表現がぴったり。
当然ながら、そのパートナーもダイバーシティに富んでいます。

今日は、そのサークルの初会合に参加するため、キャンパスまで足を運びました。
夫が車で朝通学しているため、私は電車で。モンパルナス駅からSNCFという電車に30分ほど乗り、ベルサイユ駅で乗り換え、Jouy en Josusという駅で降り、そこからバスで15分。長旅です。

会合はMBA生向けの寮のラウンジで行われました。
本日集まったのは15名程度。在校生及び卒業生の奥様方と、新入生の奥様方が半々です。
国籍は、日本、韓国、インド、パキスタン、オーストラリア、アメリカ、ベトナム、ロシアで、インドが少し多めでした。
フランスで会ったインド人は、アメリカで会った人達と比べて全然訛っておらず、英語が聞き取りやすいので不思議です。
また、奥様方の職業も色々で、子育て中のママはもちろんのこと、弁護士や建築家、フライトアテンダントだった人や、今も在宅で働き続けている人などがいました。
元英語教師で、希望者に教えてくれるというありがたい存在も!
そして、子連れで参加している方も何人かおりました。

会合は、(おそらく)日本のママ友の集まりのようなもので、みんなでお菓子を持ち寄ってチャットして楽しむ時間でした。
そういえば、自分がアメリカに留学している時も、Ladies nightと称してクラスの女の子で料理を持ち寄ってチャットした会が何回かあったなぁと懐かしくなりました。
その当時は英語もさっぱりで、アメリカ人の恋バナには全くついていけませんでしたが。
家族で寮に住んでいる方々にとっては、貴重な友達づくりの機会でもあります。学校及び寮の周りには何もないので、友達でも作らないとすることがなくて相当追い込まれてしまいそうです。
サークルでは全て英語で会話しないといけないので大変ではありますが、皆優しく受け入れてくれるので、HECに家族を連れて来たい人は安心して下さい!
facebook上に非公開の会員ページがあり、そこでも情報交換を行っていますので、色んなサポートが得られます。

本日のおまけ。
夫が学校でもらってきたお菓子セット。
何人かの学生が、自分の国のお菓子を持ち寄って配ったもので、食べたことのないものばかり。袋も可愛い。

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保護者な日: 学校&病院訪問とご褒美

今日は夫の保護者(笑 )として、学校と病院に付き添いました。
まずは、初めて学校まで運転することになったので、念のため助手席にてカーナビに沿った案内をするはずだったのですが、、、
カーナビ上で学校が出て来てくれなかったので、結局は夫の記憶ベースで運転することに。
私は全く土地勘がないので、ひたすら「右に寄り過ぎてるよ」と言うだけでした。ガソリンの入れ方も全く分からず、保護者にもなりきれない状態。

夫の学校であるHECは、Jouy en josasというパリから南西に位置した街にあります。
我が家からは車で30分弱。
キャンパス訪問でパリ市内のモンパルナスにあるホテルからタクシーで向かった際には1時間かかりました。
フランスのMBAプログラムとしておそらく最も有名なイニシアードよりはパリに近く、市内からの通学も可能ですが、学校のロゴにParisと入れるのはちょっとずるい。
まるで高級ブティックのようなこのロゴは、ブランド戦略の一環で作られていますね。

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キャンパスは森の中にあります。学校のお城がある模様(標識にシャトーと書いてあります)。

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MBAの建物は最近建て替えされたため近代的な作りです。

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隣にはBest Western hotel。そして寮に住む方々のための巨大スーパー。

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学校での手続きを終えた後、英語が通じる大きな病院、American Hospitalへ付き添い。
写真はとりませんでしたが、住宅街にあるかなり立派な病院で、多くの日本人がお世話になっているようです。
耳の調子が悪いという症状で昨日メールにて予約を行った上で訪ねましたが、日本人通訳の方をつけてくれて、海外渡航者向け保険のおかげで無料で診断してもらえました。
結論としては何も問題なく、簡単な治療で耳は治ったのですが、フランスではどうやら綿棒を使ってはいけないようです。
日本人は綿棒を使って耳を傷つけている、とのコメントがあったようで、乾燥する国では使用しないほうが良いみたいでした。

付き添いの後のご褒美は、日本食スーパーでのお買い物。
自分のミスなのか、引っ越し業者のミスなのか、航空便で送ったつもりの荷物が届かず、日本食は手荷物にした煎茶しかない状態だったので、とても待ち遠しかったお買い物です。
オペラ座から歩いて5分ほどの場所にあるkyokoスーパーにて、こんなに大人買い。ちょうど2割引セールをやっていましたが、やはり高い。
生ものは、家から少し遠いので豆腐しか買えませんでした。おそらくこのスーパーが最も品揃えの良い場所なので、残念です。
弁当箱におかずではなくバゲットを入れる日が来そうな気がします。

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