ミシェルブラスで一晩過ごした後、ラギオール村(Laguiole)の中心地に少しだけ寄りました。
人口千人ちょっとの小さな村ですが、観光地としては人気なようで、お昼の時間帯には観光バスが何台も停まっていました。
レストランが幾つもあり、主に名物チーズのアリゴや牛肉を使った料理を提供していました。
ナイフで有名な街なので、ナイフ屋さんが何軒も並んでいました。
レストランでも使われていた、スタイリッシュで軽いものを4本。
ここぞという時にステーキでも焼いて使いたいと思います。
さてさて、待ちに待ったMichel Brasのお料理です。
夜のコースメニューは3種類ありました。私は真ん中のお値段のコース、Menu Legume(野菜のコース)を選びました。
まずは、当レストランの定番アミューズ、コックームイエット。子供の頃に母親が作ってくれた卵料理をイメージしているそうです。
2つめのアミューズは、クラッカーの上に葡萄?が乗ったコンソメスープ。
前菜は、”本日のガルグイユ”。こちらもミシェルブラスのスペシャリテ。
元々この地方の郷土料理だったガルグイユは、野菜を生ハムやジャガイモと共に煮込んだ料理。
これをミシェルブラスがアレンジし、野菜に加えて香草や野の花をそれぞれの素材に適した料理法で調理し、一つの皿にまとめ上げています。
次のプレートは、トゥルーズ産のナスを煮込み、トマトジュレを添えたもの。
ナスは残念ながら苦手なので食べれませんでしたが、中央に添えられたナスチップスは全くナス臭くなくて美味しかったです。
皿の淵にはさっぱりしたキュウリと梅!
お次は、ジロル茸を包んだキャベツのファルシ。旬のキノコがおいしい。
写真を1つ撮り忘れてしまいましたが、ここでにんじんとルバーブを使った料理を挟みます。
ラギオール村の名物チーズ、アリゴ。マッシュポテト入りの、伸びーるチーズです。サラダと共に。
やっと、デザート1品目。 スイートバナナとココナッツのクリームをなんと唐辛子で包んだもの!フランボワーズのアイスクリーム添え。
焼いた桃とキャラメルソース。旬の桃は本当に甘い!
本当はもう一品デザートのアイスクリームがありますが、満腹すぎて断念。コーヒーを頂くと、クッキーと砂糖菓子が付いてきました。
肉も魚もつかない野菜のコースは、量が多いとはいえとってもヘルシーで、遅くまで食べていたのに翌朝はお腹がしっかり空いていました。
ここまできて本当に良かったな、と思える、たくさんの新しい味と出会えたことに大満足でした。
1月の頭に予約した3つ星レストラン、Michel Bras。
土日で予約の取れるところ、というリクエストを出し、返ってきたのは今の時期の予約確約。
首を長〜くしてこの日を待ち望んできました。
元々、北海道の洞爺湖にあるウィンザーホテル洞爺を大昔に訪ねた際にランチに出かけたのが、このレストランとの出会い。
一度閉鎖して生まれ変わったウィンザーホテルの再生の象徴の一つが、フランスの片田舎の村にしかないミシュラン3つ星レストランの初支店を擁したことでした。
その凄さを分からないまま訪ねた私でしたが、見たこともないような芸術的なパレットに感動し、また飾らない自然体の味付けにも感銘を受けました。
量が多くてお腹は破裂寸前でしたが、一口一口が新しい味わいで、ずっと食べていたい気持ちになったのを覚えています。
あまりの感動に、名物料理のポストカードまで買ってしまいました。
そんな特別な思い出のあるミシェルブラス。
洞爺湖まで行く機会はその後なく、一度だけの訪問となっていましたが、パリ行きが決まった瞬間に、ミシェルブラスの本店に行きたい!と思い立ち、リサーチを行いました。
場所はパリから車で5時間半のラギオール村。
そこに、レストランとセットでホテルが建設され、まるで洞爺湖のウィンザーホテルのように、ミシェルブラスのためだけにそこへ足を運ぶ仕組みになっていました。
(正確には、ラギオール村は人口1000人余りの小さな街ながら、質の良いナイフの生産地として世界的に有名な街なので、ナイフを買いに訪ねる人もいることでしょう。)
冬の間は雪が深すぎて営業できず、また予約は毎年1月に開始するということが分かり、今年の年明けはそわそわしながら過ごしていました。
そしてついにその日が来ました。
長〜いドライブを経て、大自然の中のホテルに到着です。
モダンで機能的なデザインのホテル。最も安い300ユーロのお部屋に宿泊しましたが、こんなに豪華。
立派なバスタブも付いていました。(付いていない部屋もあるようです。)
Bras Familyがレストランと共に経営するこのホテルは、たった13室の小さなホテル。
広い空間を贅沢に使い、また目の前に広がる大自然との一体化を意識したデザインのおかげで、どんなリゾートの広い部屋よりも開放感に溢れていました。
自然との一体化はデザインに留まらず、アメニティとしてリサイクルで作られたスリッパや手作り風の石鹸が置いてあり、環境保護のメッセージが残されていました。
bras FamilyとこのホテルのValueがとっても明確で、ホテル単独でも十分成功するんじゃないかと思えるブランディングがなされていました。
30ユーロの朝食はお部屋で摂ることもでき、美しい景色を眺めながらゆっくりと楽しむことができました。